2015年12月8日火曜日

「7歳になったらシニア用ドッグフード」は誰が決めたのか?その落とし穴と成分比較表


「7歳になったらシニア用のドッグフードに変えよう」こう言いだしたのはフードメーカーです。

シニア用ドッグフードの一番の特徴は低カロリーです。しかし、7歳になっても元気に動き回る小型犬はたくさんいます。そんな子たちにシニア用ドッグフードを与えたらたちまち痩せてしまうでしょう。そして本当に高齢犬になったときには、筋肉が衰えて健康とは言えなくなっているでしょう。実際、行きつけのカットハウスのお客さんがそうでした。老化のスピードには小型犬と大型犬では大きく違うし、個体によっても生活スタイルによっても大きく異なります。運動量が減って、寝ている時間が長くなった、食後にゲップがでる、消化が悪くなった、などの変化が現れた時点で、シニア用のフードを徐々に変えていくのが理想的です。

最近の優れたシニアフードは、高齢犬の特長である、「消費エネルギーの低下」「筋力・新陳代謝の低下」「内臓機能の低下」に対応し、「高蛋白」「低脂肪」「低炭水化物」「免疫力サポート」「消化吸収」を考えたフードがでてきています。しかし、中には、消費エネルギーの低下=肥満予防だけに着目し、「蛋白質」と「脂肪」を減らしたものを「ダイエット&シニア用」と一つにまとめたフードがあるから要注意です。

老犬になっても、主に「体をつくる栄養素」であるタンパク質は成犬の時と変わらず必要です。基礎代謝量や運動量が低下したら「体を動かすエネルギーになる栄養素」である「炭水化物」(トウモロコシや米など)を控えたフードがお勧めです。また、成犬用フードで量を減らすというやり方もあります。獣医さんによれば、老犬になってやせ気味の子には、こちらの方がお勧めだそうです。
一方、シニア犬になると、基礎代謝量や運動量が低下するので、食べすぎると肥満になりやすくなるのも事実です。脂肪の取りすぎは人間と同じで内臓に負担をかけ、肥満は関節に負担をかけます。肥満は年齢を問わず気を付けるべき問題です。
まとめると、7歳という数字にこだわらず、その子の状態にあわせて切り替える。成分表を良く見て十分で良質なタンパク質を含むシニアフードを選ぶということが大切です。

  • 食後のゲップが増えてきた、消化不良が続く、運動量が減ってきた、寝てばかりいるなどの変化がでてきたら、シニアフードに変える。
  • 炭水化物を抑え、十分なタンパク質を含むフードを選ぶ。できれば免疫力サポートなどを考えているフードがお勧め。
*腎臓疾患などによりタンパク質を制限しているワンちゃんは、獣医さんにご相談ください。


主なシニア用ドライフードの粗タンパク質、粗脂肪の割合の比較表を作ってみました。

サイエンス・ダイエットシニア(粗タンパク16%、粗脂肪12%)と、ナチュラルバランス・ダイエット&シニア(粗タンパク16%、粗脂肪6%))はシニアと減量食を一緒にして売っている。こんなのシニアに与えたら栄養失調になるでしょう。
ホリスティックレセピーも少し粗タンパク(18%)が足りない。
ロイヤルカナンは粗タンパク・粗脂肪を抑えているのに、全然カロリーが高い。(個人的感想)