2015年10月24日土曜日

ナックリングの改善

ナックリングとは、足の裏ではなく、足の甲で地面をすって歩く症状を言います。
原因は神経の異常からくる場合や、運動器の問題で足の関節がよく稼働しないことで起こります。

高齢犬になると、筋肉が衰え、関節が固まって良く稼働しなくなるため、後肢のナックリングが良く見られます。しかも歳と共に徐々に悪くなっていくため、ナックリングに気づくのが遅れるケースがほとんどです。多くの飼い主さんが足の甲の皮がむけて出血してから気づきます。特に小型犬は生活位置が低いため、気づくのが遅れがちです。

日頃から下記の点に気を付けてよく観察してあげましょう。
・アスファルトを歩くときに爪の擦る音がしないか。
・爪が変形していないか。削れていないか。
・足の甲が汚れていないか。傷ついていないか。

筋肉や筋が硬くなり、股関節や膝関節の動きが悪くなることから起きる場合は、これらの関節を緩め、動きを良くしてあげることで改善することができます。
また、硬くなった組織が神経系統を圧迫することでナックリングが起きている場合には、それらの組織を緩めてあげることで改善できます。

足を擦って歩いている間は、傷を悪化させないために靴下やゴムのブーツをはかせてあげると良いです。



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2015年10月17日土曜日

老犬のトイレの問題について考える(2)

室内でトイレをするワンちゃんの問題とその対処方法について記します。

●高齢犬になると、トイレの近くまで行けるんだけど、その付近で粗相してしまうことがよくあります。特に朝一番のオシッコは、体もまだ十分に起きていないため、トイレまでたどり着けずに間に合わないことが多いです。高齢犬になったら、寝ているベッドの近くにトイレを移動してあげましょう 。老犬のトイレの失敗は怒ってはいけません。ここじゃないんだよ、って言い聞かせ、上手にできたら褒めてあげましょう。

●後ろ足の筋肉が弱ってくると力を入れて踏ん張れないため、ペットシーツの上で滑ってしまい、特にウンチでしゃがむのが辛くなってきます。そうなってきたら、滑らない工夫をしてあげます。まず、足の裏の毛を短くし、爪を伸ばしすぎないことです。(滑るフローリングでも同じことです。)
そして写真にあるように、ホームセンターに売っている滑り止めシート「止まるんです」をペットシーツの上に敷いてあげるととても効果的です。網状になっており、オシッコは下に通過してくれるので、すぐに乾きます。これをいきなり全面に敷くと違和感を感じて嫌がる子もいるので、そのような場合には、最初は半分敷くなど、徐々に慣らしていきます。うちの子も、敷いてあげたら、ずいぶん楽に排泄できるようになりました。

●足腰が思うように動かないため自力でトイレにいけず、サークル内にペットシーツを敷き詰めて生活しているワンちゃんもいると思います。この場合も、「止まるんです」をペットシーツの上に敷き詰めてあげると、オシッコがこの網目を透ってペットシーツに落ちてくれるため、体が濡れないですみます。しかもワンちゃんの足が滑らないので、起き上がるときにも踏ん張れるため、動くのが楽になります。

●特に大型犬で、後ろ足の膝が曲がらなくて、ウンチをする際に尻餅をついてしまう子もいると思います。大きいワンちゃんは支えてあげるのが一苦労です。発泡スチロールなどで洋式便座のようなものを作り、地面との距離を作って排泄させるというのも一つの方法です。

大切なことは、トイレの粗相をしても決して怒らない、ということです。ワンちゃんも頑張っているけど、できないんです。大好きな飼い主さんに怒られると自信をなくしてしまいます。言って聞かせて成功したら、子犬の時のようにたくさん褒めてあげましょう。

いやがる場合には、小さく切ったものから敷き、徐々に慣らしてきます。
ロールでも売っている。似たようなのが100円ショップにもある。


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2015年10月2日金曜日

老犬のトイレの問題について考える(1)

老犬のトイレのお悩みは、最も多い悩みのうちの一つです。犬も人と同じように高齢になると頻尿になります。腎臓機能の低下という病的な原因を除くと、膀胱を締めている筋肉が衰え、最後まで尿を出し切れずに貯めておく容量が減るなどの理由が考えられます。

外でしかトイレができないワンちゃんの問題
外でしか排泄できないワンちゃんは、高齢になって頻尿になると夜中に何度も起こされて外に連れ出さなければならなくなります。それは雨の日も、雪の日も、しかも時間を問いません。これに付き合っている飼い主さんはそのうちに寝不足になり、疲労困憊してしまいます。また、1日長時間、家の中で留守番してトイレを我慢している子などは、我慢できずにお漏らしすることがあります。あまり我慢させても身体に良くありません。こうなる前に、家の中でペットシーツに排泄できるようにトレーニングをしましょう。

〈トレーニング方法〉
  1. ペットシーツを持参して散歩に行き、ペットシーツが排泄をする所だということを理解させます。まず、排せつする直前にサッとペットシーツを広げて、オシッコの合図の声をかけながら排泄させ、できたら褒めてあげます。ペットシーツの足の感触を覚えてもらいます。
  2. これができるようになったら、玄関など出入口に近いところでの排泄を覚えさせます。犬は縄張り意識が強いため、他の犬のオシッコにマーキングをするという習性があります。これを利用して、他の犬のオシッコがついたペットシーツを用意し、それを水の入ったペットボトルに巻きつけるなどするとよいでしょう。下にペットシーツを広げて、最初は玄関の外、次は玄関の中、にセットします。最初はペットシーツを広く使ってください。できたらたくさん褒めてあげます。
  3. これを繰り返していくうちに他の犬のオシッコがなくても排泄をするようになります。できるようになったら、ペットーツの面積も小さくしていきます。そして、部屋の中へと移動していきます。
最初はうまくいかないかもしれません。しかしあせらないで、ゆっくり時間をかけて、ステップを踏んでください。また、はみ出すこともあるかもしれませんが、最初は気にしません。少しでもできるようになったことを、たくさん褒めてあげてくださいね。


老犬のトイレの問題について考える(2)につづく

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