2015年9月30日水曜日

膝蓋骨脱臼(パテラ)のケアのポイント

膝蓋骨脱臼とは、後ろ足の膝のお皿(膝蓋骨)が大腿骨にある溝(滑車溝)から外れてしまう(脱臼)状態のを言います。「パテラ」とも言います。
トイプードル、ポメラニアン、チワワなどの小型犬に多く見られ、7割が膝の内側への脱臼と言われています。
症状は、膝関節を曲げると脱臼して足を伸ばすと元の位置に戻るという、痛みを伴わないものから、重いものでは、膝蓋骨が外れっぱなしで、痛みを伴うため足を浮かせて歩くような状態もあります。

脱臼している犬は膝関節を使った運動ができないため、人間でいう腿の筋肉が(大腿四頭筋)が衰え、腿の内側とともに、硬く筋張っていることがほとんどです。
大腿四頭筋は腸骨の側面腿よりの所から始まり、膝蓋骨を覆いかぶさるようにして、膝関節の下についている筋肉です。大腿四頭筋とあわせて硬くなっている膝の内側を緩めてあげることによって、膝蓋骨が溝から外れるのを防ぐことができます。また、股関節に問題があると捻じれ力が加わるため、同時にケアしてあげることも必要です。

フローリングで足が滑る状態で生活している犬は、つねに膝関節や股関節に負担がかかるため、このような病気を発生するケースが大変多くみられます。フローリングは滑らないように絨毯をしく、タイルマットを敷くなどの対処をしてあげてください!

また、大腿四頭筋の筋肉をつけるために、足先をもって曲げたり引っ張ったりする運動を進められることがあるそうですが、膝蓋骨が溝にはまっていない状況で行えば、明らかに悪化させることになるので辞めましょう。


2015年9月23日水曜日

老犬のボケについて考える(2)

「老犬のボケについて考える」の続きです。

5) 怒りっぽくなった、咬むようになった
今までそんなことなかったのに触ると怒るようになった、歯磨きも嫌がるようになった、、、こんな経験はないでしょうか。

ある日トリミングから帰ってきた時から変わった、というケースは良くあります。きっとそのワンちゃんは、どこか痛いところがあったのに、トリミング台では触られてもなんとかガマンしていたのでしょう。しかし、家に帰ってきてからまた触られたときには「これ以上触るな!ガブっ」と、こんな具合に。。。

うちのプードルがそうでした。顔にバリカンを入れてもらっていましたが、歯周病が悪化していたので、口回りを触られるのが痛かったのでしょう。そしてある日トリミングから帰った時から、歯磨きをやらせなくなりました し、無理にやると歯をむくようになりました。

高齢になると、歯周病によって口周りが痛くなったり、足腰が痛くなったりします。怒る理由は身体の痛いところを知らずに抱っこしていた、触っていた、ということがあるので、まずはそれに気づいてあげて下さい。そして痛みを取ってあげる処置をしてあげましょう。


6) ちゃんとトイレができなくなった
これは高齢になって注意が散漫になってきたことだけでなく、その原因として、後ろ足が弱ってきたためにトイレにしゃがむのが辛くなってきたとも要因として考えられます。トイレを失敗した時には、決して怒ってはいけません。「トイレはそこじゃなくてココだよ。」と言い聞かせあげてください。

トイレの場所についても、ワンちゃんのベッドの近くに移動してあげてください。朝起きた時などは、トイレに行くまでに我慢ができないのかもしれません。

足が弱ってきたワンちゃんには、トイレシーツが滑らないように工夫してあげます。例えば、「止まるんです」などの滑り止めのシート(網になっているもの)を敷いていくと、後ろ足で踏ん張る時に滑りませんのでお勧めです。最初から全面にしいて嫌がる場合には、部分的にしいていきます。


7)それでも困った時には。。
以上は対処方法が考えられるケースですが、中にはいわゆる脳の障害である痴呆の場合もあります。夜鳴きがひどく睡眠不足で飼い主さんが疲労してしまうような場合や、対処できない場合には獣医さんに相談して下さい。安定剤、導眠剤などを処方してくれます。また、メイペットなどのサプリメントも市販されています。

ぐるぐる回ってしまう子には、ぶつからないように、お風呂マットの壁を円形につなげて居住場所を作ってあげたり、空気をいれて膨らませる円形の子供用ビニールプールなどにいれて、怪我から守る方法があります。

〈おわり〉

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老犬のボケについて考える(1)

「うちの子ボケてきちゃったみたいなの」こんな会話を良く聞きますが、ワンちゃんのボケとはどんなことを言うのでしょうか?

・夜になると徘徊する・寝ない
・夜鳴きをする
・隙間に入って出てこれない
・わがままになった
・咬むようになった
・ちゃんとトイレができなくなった
・飼い主の言うことがわからない
・ぐるぐる廻る

一般的にこんな症状があるとボケてきたのかな、と思うのではないでしょうか。脳の萎縮などの障害から来るのは痴呆です。しかしこれらの症状の中には痴呆でないものもあり、症状を改善できるものがあります。まずは、ボケちゃったから仕方ない、と決めつけないで改善策を見ていきましょう。

1)
夜になると鳴く
まずは、どうしてワンちゃんが鳴くのか原因を考えてみましょう。外でしかオシッコしない子がオシッコをしたくて鳴いているかもしれません。老犬になると膀胱にオシッコを溜められる量が少なくなるなどで頻尿になります。また、身体が良く動かない子が、寝返りを打ちたくて鳴いているのかもしれません。あるいは何処か痛い所があって鳴いているのかもしれません。ちょっと考えてみて、思い当たる原因があれば、取り除くことを考えてあげましょう。

2)
夜になると徘徊する、寝ない
老犬になると昼間も寝ている時間が増えてきます。しかしそれでも、犬には昼は起きる、夜は寝るという体内時計が備わっています。例えば、夜寝る時も蛍光灯などをつけたままにすると体内時計が狂ってきます。夜は電気を消して暗くしてあげましょう。夏でなければ、昼間は少しでも外に出て太陽の光を浴びたり、または家の中でも、暑くならない程度に、陽がさす場所で日光浴させてあげます。どうしても夜寝る部屋を暗くできない場合は、暖色の明かりに変えます。

3) 隙間に入って出てこれない
目を離してたら、ワンちゃんが部屋の隅っこや隙間に頭を突っ込んだまま動けなくなって、大声で鳴いていたというケースがあります。また、カーテンにくるまって出られなっていた、なんてことも。。これは、ボケてきたのではなく、後脚の筋肉が弱る、あるいは関節が良く稼働しないために、後ろにさがるという動作ができないことでおこります。このような危ない場所を作らない、あるいは策などを利用して近づけないようにすることが先決です。

4) わがままになった
「今まではお座りできてたのに、言うことを聞かなくなった」とおっしゃる方がいました。しかしそのワンちゃんは後ろ足が弱ってきていて膝を曲げるのをいやがっていたことを、飼い主さんはワガママと勘違いしていました。ワンちゃんが高齢になると後ろ足から弱ってきます。日頃の動きをよく見てあげて、早く気づいてあげましょう。

<つづく>

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2015年9月19日土曜日

ケアがなぜアジリティーのパフォーマンス向上に有効か

「くろべえはうす」のケアがなぜアジリティーのパフォーマンス向上に有効かご説明します。
スポーツドッグの四肢の関節や体幹をケアすることによって、関節の可動域が広がり動きがしなやかになります。
それにより、

  • バーを跳ぶときには、前肢を前方に伸ばし、後肢は十分に後方に伸ばす
  • バー上空では、ハンドラーの指示で次の旋回を始める
  • 着地のときには、頭を上げ周囲を確認し、前肢は着地に備える。続いて後肢も備える
  • 着地後は、前肢が沈み込むことなく、すぐさま走り出せる

といった理想的な動作ができるようになれば、タイムが縮むわけです。

体幹がしなやかであれば、ターンも無駄なく小さく回れるようになるため、パフォーマンス向上につながります。また、怪我の予防にもなります。















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小さな命

ご無沙汰してしまいました。まだコルセットはしていますが、だいぶ良くなり人並みの生活が送れるようになりました。

自分の不自由な体と闘っているうちに暑い夏もほぼ終わりました。くろべえとの別れ、8年間一緒に戦った同僚との別れ、自分の大けがなどなど、今年はいろんなことがあった年でした。(まるで年末のような。。)

しかし、楽しみなこともありますよ。写真にあるように、お母さんのおなかの中の小さな命。この子が無事元気で生まれてきたら、うちの子になるんですよ。。

あ、犬です。

もう黒でも、茶色でも、何色でも、雄でも雌でも、元気で生まれてきてくれれば、、、という気持ちでいっぱいです。もうあと、2週間。楽しみです。





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